ボイス・トレーニングというと、一般的には「歌手のためのもの」のいうイメージがあるようですが、そうではありません。歌に限らず、正しい「呼吸法」や「発声法」をマスターされますと、普段のコミュニケーションに大いに役に立つばかりでなく、あなたの健康にも影響があるのです。

呼吸法といいますと、一般的に大きく２つの呼吸法があります。
ひとつは、肺を上方・外部からコントロールする「胸式(きょうしき)呼吸」、もうひとつは、肺を下方・内部からコントロールする「腹式(ふくしき)呼吸」です。

「胸式呼吸」というのは、普段私達が無意識に行っている呼吸の事で、レントゲンを撮るときのように、胸を上げて広げる働きをもつ外肋間筋(がいろっかんきん)という筋肉を作用させ、中の肺を広げて息を入れる呼吸を指します。この呼吸法ですと、歌を唄ったり、長い会話（講演やスピーチ等）をする場合には、息のコントロールがしにくい為、「力み」につながってしまいます。

他方、「腹式呼吸」は、横隔膜と腹筋のバランスにより肺の下方や内側から作用する呼吸です。横隔膜を上下させることがおなかを膨らますことになるので、よく「おなかで息をして」などと表現しますが、実際には息をおなかに入れているわけではありません。
この呼吸の特徴は、声のコントロールがとてもしやすく、胸式呼吸に比べ、声帯の負担がとても軽くなる（疲れない）という点です。歌を仕事にしているボーカリストが、この呼吸を行っているのはこの事実が関係しています。
実際に短時間に息を吸うことが容易であり、声を出す時には、必要に応じてゆっくりと、そしてスムーズに息を吐くことができるこの腹式呼吸は、吸気保持にたいへん優れた呼吸法といえ、とても発声を楽にしてくれます。

私達オアシスが「スーパー・ボイス」と名付けて行っているこのボイス・トレーニングは、この「腹式呼吸」をすることにより付随する様々な効果に着目し、「発声」のトレーニングを行いながら健康増進に役立てていただこう、というものです。では、なぜ「発声」のトレーニングを行うことが健康増進につながるのでしょうか？

もしかすると、あなたの周りにもいらっしゃるかもしれませんが、歌が大好きでよくカラオケに行く、なんていう方は割合元気なイメージがあるはずです。
実は、「声を出す」という行為は、全身の免疫系活性化に欠かせない要素なのです。昨今の高齢化で「ボケ（認知症）」がひとつの社会問題となっていますが、歌を唄うことがこの「ボケ」防止になるという効果が最近注目されています。これは、「アート・セラピー」といいまして、歌を唄ったり、絵を描くことが認知症予防に効果があるという結果が多数報告されているのです。
ただ歌を唄うといいましても、先にご説明しましたとおり、「胸式呼吸」のまま行っていますと、長時間唄い楽しむには不向きですし、無理をすればノドを痛めてしまうなど弊害が出てしまいます。これでは、せっかくの「健康増進」も台無しです。
私達オアシスでは、楽しく歌を毎日唄いながら健康になるための「腹式呼吸」による発声、「スーパー・ボイス」をお勧めしております。

「腹式呼吸」による発声トレーニングを行いますと、発声をする度、横隔膜が動き、またおなかの一番奥にある「腹横筋(ふくおうきん)」が鍛えられていきます。これにより、下腹部が引き締まるという効果が出ます。
横隔膜が動くことにより酸素がより多く集まります。その酸素によって、脂肪を分解する「リパーゼ」が活発に働くようになるのです。リパーゼが働けば、気になっている脂肪はどんどん分解されます。
つまり、腹式呼吸のトレーニングを続ければ、結果的に下腹部のダイエット効果がついてくる、というわけです。

私達オアシスは、ボイス・トレーニングを専門としており、医学的な見地でお話はできませんが、「呼吸と健康」の関係を調べてみますと、まだまだ色々と報告されていますので、ここにご紹介させていただきます（効果が確認されているものと、効果が期待され研究されているものがあります）。

睡眠トラブル改善 ストレス緩和 冷えの緩和 花粉症緩和 うつ病の改善

集中力の向上 生活習慣病予防 腰痛・痔の緩和 アレルギー体質の改善